夜間の有料道路の中央付近を歩行していた被害者を加害車両が轢いた事故

  • 事故態様:(被害者)歩行者 VS (加害者)自動車
  • 過失検討:被害者過失30%

(事故現場図)
自保ジャーナル2033号128頁参考図

(参考文献)東京地方裁判所(平成30年7月19日判決)自保ジャーナル2033号128頁より

弁護士の研究結果

  1. 本件は、夜間の有料道路(高速道路ではない)の中央付近を歩行していた被害者を、加害車両が轢いたという事故。被害者は飲酒していたが、いわゆる「ふらふら歩き」はしていなかった。
    仮に高速道路だと歩行者の過失が多くなるが、本件は高速道路では無く、歩行者用の路側帯も設置されていたようなので【42】基本30%が妥当する。
  2. そして、夜間の事故なので夜間+5%、加害者が雑談に夢中になっていた(脇見運転)等から著しい過失-10%までは判決理由から明らか。そうすると、被害者過失25%となり、判決の30%と比較して5%の差があるので、この差がどこから来たのか。
    事故現場に着目すると①有料道路であること②看板で高速道路では無いことの注意喚起がされていたことから、事実上高速度で車が往来することが想定される道路で、加害者からするとまさか道路ど真ん中に歩行者がいるとは予測しにくいという特殊性がある。
    このことから、幹線道路修正とまでは行かずとも、それに近い道路状況であったことに鑑み、+5%加算して、被害者の過失30%と認定したと思われる。