今回は、家事従事者や主婦の方が事故に遭った場合の休業損害について述べたいと思います。

家事従事者とは

まず、家事従事者とは一体どういう人を指すのでしょうか?

年齢・性別に関わりなく家事を専業にしていれば、家事従事者と認定が可能ですが、一人で生活を営んでいる方や時々家事の手伝いをする程度の方は、家事従事者には該当しません。

先に述べましたとおり、年齢・性別に関係ありませんので、父親が家事をしている場合や父子家庭で、子供が家事をしている場合なども当てはまります。

休業損害の計算方法

休業損害は、5700円×休業日数で求めますが、休業日数は原則として実治療日数となります。

但し、被害者の傷害の程度等を考慮して治療期間の範囲内で実治療日数の2倍を限度として認定することが出来るとされています。

代替労動力の認定方法

例えば、家事従事者が入院中、自宅に残された12才以下の子供の世話のためにシッターをお願いしたとします。

その場合、休業損害の代わりとして、シッター代を請求することができる場合がありますので、以下の場合を参考にしてください。

(被害者が家事従事者の場合)

①家政婦をお願いした場合は、家政婦料金と休業損害定額( 5700 円)を比して高い額

②近親者で休業損害が発生する場合は、近親者の休業損害と定額を比して高い額

③隣人等にお願いした場合は、謝礼金と定額を比して高い額

(被害者が家事従事者兼パートタイマー・アルバイト・日雇労働者等の場合)

①家政婦をお願いした場合は、家政婦料金と定額を比して高い額

②近親者で休業損害が発生する場合は、パートの休損、近親者の休損、定額の高い額

③隣人等にお願いした場合は、パートの休損、謝礼金、定額の高い額

(被害者が母子家庭の有職者の場合)

①家政婦をお願いした場合は、有職者としての休損と家政婦料金の合算額

②近親者で休業損害が発生する場合は、有職者としての休損と近親者の休損の合算額

③隣人等にお願いした場合は、有職者としての休損と謝礼金の合算額

ここで説明する母子家庭とは、配偶者がなく、12才以下の子供があり、かつ、当該家庭内において被害者の他に家事に従事することが出来る者がいない家庭のことを説明しています。

従って、父子家庭も含まれます。

更に、家政婦料金や謝礼とは、日額 19000 円の最高限度額の範囲内で認められるのです。

被害者が生活保護

生活保護を受けていても、家事を専業に行っていることが確認出来れば、家事従事者として定額が認定されます。