アジア映画として史上初のアカデミー賞4部門を受賞して話題になっています。
実は、この映画、私は、受賞になるずっと前、封切直後に、観ていました。
私は、正直、上映中、この映画を見ているのが辛かった。
確かに、その脚本は、格差社会を問題提起するもので、奇想天外な展開もあり、観る者に飽きさせない、内容の濃い作品である。
しかし、貧者が金持ちを騙して、平気でいることの構成が、どうしても、私の肌にあわなかった。
貧しくとも、清廉潔白であって欲しいという私の感性が、この映画を心から楽しむことを邪魔した。
被害者がいない「騙し」は楽しめるが、実害が出る「騙し」相手に心の傷が残る「騙し」は、楽しめることはできない。
日々、紛争に対面している弁護士としての性か、被害者に目がいってしまう。
金持ちも金持ちの人生があるわけで、当然、騙されていいわけはない。
もしかしたら、監督は、私のような見方をする者の存在を前提として、ストーリーを構成しているのかもしれない。
そう考えると、いろいろ考えさせる映画であり、なかなかの作品といえる。
現在、新型コロナで映画館には、閑古鳥が鳴いているということですが、皆さんも是非観ていただきたいと思います。