80代 女性一人ぐらし
受傷部位:足根骨、脛骨骨折
獲得等級:併合8級


 遠路、私のふるさと播州加古川からの依頼。80代女性が、渋滞の国道を徒歩で横断中(横断歩道ではない)、車に、足の甲を踏まれ、点灯、足根骨、脛骨を骨折。一人暮らしができない状況になり、子供を頼って、神戸の施設へ入所。元々は、施設への入所費用を保険会社に請求することはできないかという相談であったが、我が国の法が、損害について、相当因果関係説を採用しており、「足が折れて、施設への入所」というのは、通常、普通にある流れとはいえないこと(被害者の個人的事情にすぎない)から、難しいことを納得頂いた。年金生活の一人暮らしであり、損害賠償も、休業損害は認められず、逸失利益も認められない案件で、後遺障害慰謝料がポイントと説明。当初、トイレには自分で歩いて行く事が可能とのことで、神経症状の14級、あるいは、12級がせいぜいではないかと思われ、施設費用には、到底足らない結果になることが予測された。念のため、神戸へ無料出張相談するので、ご本人とお会いして、怪我の状況確認したいと申し入れた。後日、出張相談したところ、確かに歩けるが、足の指の動きが悪いことに気がつく。足の指は、要注意。日常生活では、足指が動かなくても、なんとか生活できる。医師も、足首の可動域については、一応、気を配るが、足指には、あまり興味示さないことが多い。仕事をしていない老人なら尚更見落とされがちである。本人も症状を訴えない事が多い。
 この足指にスポットを当てた、後遺障害を目指すことにした。医師に、足指の可動域について、注意を払うよう催促し、最終的な後遺障害診断書でも正確な数値を測定を要求。可動域制限の原因についても、しっかりと論理だった推論を展開してもらう。
 結果、1足の全部の指の用を廃した」ものとして、9級15号の認定。加えて、その他の12級後遺障害と併合により、併合8級の認定を受ける。12級レベルでは、せいぜい400万円弱の賠償に止まるところ、最終的に1000万円の賠償を得ることができ、当初の相談目的であった。施設の入所費用を賄うことができ、とても良い解決となった。交通事故の怪我は、医師の目ではなく、弁護士の目で確認することが大切であることが改めて思い知らされた案件である。