ミャンマーの軍事クーデター(2021.3.29)

連日、ミャンマーの軍事クーデターに抗議するデモの報道が流れ、日本でも、在住のミャンマー人のデモも報道されています。
果たして、民衆運動で国家の組織が変わることができるのか?私は、議会制が発達していない国では、無理だと思います。施政者にとっては、自分達が全てであり、世界がどう反応しようが、全く、気にすることは無いからです。権力者は、自ら権力を手放す事はしません。歴史的に見て、軍事力無くして政府の転覆はありえません。軍部の権力争いから、内部分裂して、新たな武力勢力が旧体制を武力で打破し、新政府を作るということが繰り返されてきました。新政府も大義名分を民衆に求めますが、それは形だけ、施政者による権力の横暴が始まります。
 独裁体制は、自らを守るべく、行政のみならず、三権分立の一翼の議会、司法も独裁体制に組み込みますので、より独裁体制が進みます。
 自国内で武力が十分発達しない場合、他国の力で政府の転覆を図ります。カンボジアポルポト政権にベトナムが侵攻、イラクのフセイン体制に、アメリカの侵攻…
 ひと昔前ならば、隣国の混乱に乗じて、侵攻勢力拡大ということが常套手段でした。国盗り合戦です。
 今、ミャンマーの様な資源もめぼしいものもなく、利権の少ない国に、軍事介入しようとする西側陣営国はありません。独裁体制は、同様の独裁体制国家とより強力しますので、経済封鎖とかしても、抜け穴だらけで、その効果は乏しい。
 ミャンマーのデモの報道を見る都度、やるせない気持ちになります。同様、香港のデモによる民主活動も今や風前の灯火です。
 民主主義国家を作ることはとても大変な事なのです。

水平線までの距離-三平方の定理-(2021.3.19)

ときどき、YouTubeで、中学生や高校生の数学のサイト見たりします。この歳になり、受験という脅迫概念(?)の無い世界で、改めて、数学の授業を受けるとなかなか面白い事に気付いたりします。

水平線の距離について、余談で話されていました。地球は丸いので、有る一定の先まで見えてもその先は見えませんね。水平線までの距離は、三平方の定理で求める事ができるとのことでした。
三平方=3つの「平方」(2乗ということ)の定理、即ち X²+Y²=Z²ですね。

この定理で水平線わかるの?直角三角形って、どこにあるの?って思いますね。
有るんです。ずばり地球の中心-水平線ラインと 目線-水平線ラインが作る辺の交わりです。
地球は丸いので、水平線の地点で、90度の角度のところが、水平=見える限界です。
わかりやすく、身長何百キロメートルという超巨大な人間を想定するとこんな感じの絵ですね。
(実際は、斜辺と他の1辺が、ほぼ同じという、傍目には単なる直線に見える直角三角形となりますね)

これを三平方の定理に当てはめると、地球の半径に人の目線の高さを足した長さが直角三角形の斜辺になりますので、
(地球の半径)²+(水平線X)²=(地球の半径+人の目線の高さ)²

身長180センチの人が、目線までの高さ170センチとして、

6378² +X² =(6378+0.0017)²
の方程式を解けば出てきます。
だいたい、水平線は、身長180センチくらいの人で、X=4.5キロほどだそうです。

もっとも、地球の半径といっても、地球は、楕円形らしくて(赤道付近の方が半径大きな数値)、場所により、地球の半径変わるので、正確な数値は実際は、もっとより高度な計算になるようですが…、

YouTubeの数学、面白いですね。

ps.事務員さんにこの話を説明すると、「水平線なんか図ることなんてないので、面白くもなんともなく、どうでもいい話です。そもそも地球の半径測った人がいるのですか?」と一蹴されました。

ドラマ 知ってるワイフ(2021.3.17)

 広瀬アリスさんが出演しているテレビドラマ知ってるワイフ、明日の木曜日が最終話ですね。
 お話は、結婚後数年して、妻がモンスター化して、夫が、こんな筈じゃなかった。あのとき、ああしておけば違う人との幸せがあったはず…と思っていたところ、タイムスリップして、あのときこうしておけばという事を実行し、違う人と結婚したが…」というお話です。
 初回に妻役の広瀬アリスさんがヒステリー起こして怒鳴り散らしているシーンが連続するのですが、世の中のアルアルで、人ごとでも無い感じがし、以来、ずっとみています。
 このドラマは、韓国版のリメイク作品です。朝、韓国版の放送しているのを発見。ちょっと数回見ました。感想としては、韓国版は、16話であるのに対して、日本版は、10話ですので、日本版の方が、ポイントを押さえているので、まとまりがある感じです。韓国版は、どうでも言い会話などが、かなり入りこんでおり、話の展開が遅い。
それは、韓国版は、ややコメディタッチに作られており、日本版は、同じ内容でも、かなりシリアスなタッチになっているからの様に思えます。
 広瀬アリスさんと大倉忠義さんの演技に慣れた私としては、韓国版の主役男女、しゃべりすぎで、うるさい感じがしました。同じ作品でもかなり感じが異なります。
 さて、最終回どのような結末になるのでしょうね。楽しみです。 
 

刑事告訴するぞ!で弁護士懲戒処分

 大阪弁護士会の今月号の会報を見てみると、知り合いの弁護士が二人も、「〇〇の請求をこちらにするなら、▲▲の件で刑事告訴します」っていう文書相手に送って、相手方から懲戒処分の請求を受けて「戒告」の処分をうけていました。
 これは、懲戒とすべきかどうかギリギリの案件だと思います。
 確かに、これを逆説的な表現をすれば、かなり印象の悪い表現となります。「告訴して欲しくなかったら、請求取り下げろ」という事ですから。よく恐喝事件で、「出るとこ出たくなかったら(警察に通報して欲しくなかったら)、金払え。それで勘弁してやる」に近い内容となります。
 でも、実際の事件では、「警察沙汰にして欲しくなかったら、〇〇しろ」というのは、よくあるケースなのです。例えば,妻が夫に黙ってお金を使い込み、DV夫が妻を殴ったような案件なんかがそうです。
 「〇〇してくれなかったら、刑事告訴します」と言うことが使えないとなると、弁護士の仕事はとてもやりにくくなります。
 今回の懲戒事案は、①妻の婚姻費用分担請求権、②労働者の労働債権と法が経済的弱者として扱っている者の権利ですので、刑事事件をネタに経済的弱者の請求を取り下げさせる行為は、経済的強者である夫や会社の代理人弁護士として活動としては、「品位がない」として懲戒処分となっています。
 本件はどうであるか分かりませんか、実際の事案では、経済的弱者がモンスター化しているケースも多いと思います。依頼者を見捨てないという弁護士からすれば、頭を悩ませる問題です。

氷河期は、沖縄から中国は、歩いていけた-グーグルマップからの証明-(2021.3.12)

YouTubeをみていると、グーグルマップで氷河期時代が分かるというのを見ました。

氷河期(1万年前)は、今から120メートル程、水位は低かった。グーグルマップの水色の部分は、陸地だったのです。九州も北海道も大陸と地続きです。日本海は湖です。東シナ海の大陸棚は、広い陸地で。九州から奄美大島、種子島、沖縄、台湾と全て地続きです。人や動物の移動があったのです。グアム辺りまで、陸地、または、浅い海であったので、簡単に移動できたのではないでしょうか。縄文時代(6000年前)に向かって水面は上昇していきますが、それまで、人の往来は、かなりあったのではないでしょうか。特に、氷河期、アラスカと北米大陸くっついているので、北極海の冷たい海水と太平洋の海水は交わらず、氷河期ながらも赤道付近の海水が対流する太平洋は、暖かく、浅い海が広がって、海水も温かく、他の地域より温暖で、多くの動物や人が日本列島に陸伝いに来たことが予想されるそうです。

こんな事が分かるなんて、グーグルマップって凄いですね。

中古車購入の場合の過剰オプション

https://carview.yahoo.co.jp/news/detail/61cb11c6f0822a47629f2ecc4291078426302166/?mode=top

中古車購入後間もない時期での自動車全損案件しばしばあります。その場合、最初、保険会社は、時価額としての賠償額を提示してきます。
しかし、中古車の時価額は、かなり安めになりますので、中古車購入したばかりの場合、被害者はそれで納得できません。購入した時点での見積書を見せて、つい、〇ヶ月前この価格で購入したばかりであることを示して交渉を進めることになります。
そこで、時々問題になるのが、諸費用や、オプションです。本体価格安く設定しつつ、手数料やオプションで販売業者利益を取っている事がしばしばあるのです。
こんな場合は、弁護士泣かせです。保険会社は、本体価格まではみるが、諸費用は高すぎるので、〇〇円しかみないとか言ってきます。
厄介な問題です。

ちびまる子ちゃんは八百屋の娘だった!(2021.3.8)

https://news.yahoo.co.jp/articles/bd1966edcc3046e7462805e89042673eab42ed56

アニメネタのお話は大好きです。サザエさんで、朝はバスで出勤なのに、なぜ、夕方雨になると傘を差して徒歩で迎えに駅まで行っているのか?とか…。考えると面白いものです。
 「まる子のお父さんの職業はなに?」考えたことありませんでした。確かに、スーツ姿のお父さん見たことない。作中お父さんのお仕事の話は一切出てきていない様です。原作は、作者の実家をお話の基礎にもってきていて、実際の実家は、八百屋であるので、まる子のお父さんも八百屋であるという推測が立つそうです。
 なるほどね。作品は、シンプルなのが面白い。今まで、だれも、お父さんの職業は何?と思わすことが無いほど、面白いアニメであることに改めて気付きました。

追伸
バカボンパパの職業は、植木屋とばかり思ってました。本当は正真正銘の無職で、テレビアニメとしての放映上、無職は教育上悪いということでのアニメ用の設定との事。
アニメにも大人の事情があるのですね。

学校校則(茶髪禁止)についての判決

https://news.yahoo.co.jp/articles/708b98e0a79b7202072a76007ac1175129ce5897

ヤフーニュースに、元々、学校校則の判決がでたとのニュースが載っていました。茶髪の生徒に対して、元々茶髪であることを訴えても、聞いてもらえず、結局、黒髪へ染めても、染め方が不十分だと再三指導され、授業への出席が認められず、修学旅行にいかせてもらえず、挙げ句、不登校となり、不登校となった後、3年生の進級時、学級名簿に名前は無く、席も用意されていなかったとして、元生徒は、20歳を超えてから、大阪府に対して慰謝料を請求したという事案です。これに対して、裁判所は、3年生進級時の名簿の名前の不記載、席が確保されていなかったことに対しては、慰謝料を認めたものそれ以外については否定的な判断をしたというものです。
 ニュース内容からは、当時、具体的にどのようなやりとりがあったのかどうか不明ですのでこの判決自体のコメントを控えさせて頂き、一般的な校則のお話をしたいと思います(元々茶髪であることをどの程度説明していたのか、授業への出席ができなかったいきさつ、修学旅行に不参加のいきさつ等)

私の時代の校則、今から思えば、酷いものでした。男子学生は、丸坊主です。家から〇〇メートル離れた外出時は、生徒手帳携帯とか…。公立中学なのに、いろいろ細かく決められていたと思います。すごく管理されていたのです。今なら、人権侵害だとかなり非難されるでしょうね。
 法律的なお話です。「校則」で自由を制限することは、許されるかという人権論が昔からあります。「髪型の自由」なんかで議論されます。
 学生に対して、大人と違った誓約を加えることは、ある程度は、許されるという考え方が法律家の常識となっています。
 精神的に未成熟で、発展途中にある学生は、成人に比して、正しい、判断能力に欠ける以上、親のみならず、社会全体が未成年者が真っ直ぐに成長するように手助けしてやらなくてはならないというものです。ちょっと、盆栽に似ていますね。自由に枝出しちゃうと変な風になるので、針金巻いたり、添え木して、植物の自由を制限するというもの。
 ピアス穴あける自由なんて誰でもそりゃおかしいという事になりますね。同様に毛染め、脱色等禁止の校則も、中学生、高校生に自由にすると、一定程度、勉強そっちのけになる可能性があります。ある程度の制限は必要でしょう。
 でも、制限程度は、十分人権配慮しないといけません。合理的理由付けが必要です。我々の頃の中学生丸坊主強要は、中学生、ホルモン分泌盛んで、丸坊主の方が衛生面よろしいからと言われていました。たしかに、丸坊主の頃は、シャンプーも不要で、体洗う時、ついでに、石けんで頭もゴシゴシしていました。髪の毛伸ばしていたら不潔になる!?大きなお世話です。
 また、校則自体は、許容されるものでも、その運用、適用自体も合理的な必要があります。今回の裁判例は、運用、適用にかなり問題があったのではないかと推測されます。
 思春期の生徒に対する大人の接し方、難しい問題ですが、忍耐と慎重さが必要とされると思います。
 

DNA鑑定で親子関係覆りません(3)

戸籍上の夫ではなく、真の父親との親子関係を築くのに裁判をするのは、面倒だ。また、夫が裁判してくれるかどうか分からないしと「真の父親との子として出生届を出せばいいじゃないかという発想が出てくるのも不思議ではありません。
でも、実務では、戸籍窓口は、それを認めません。戸籍係は、形式的な事しか扱いません。真実を判断する人ではありません。戸籍に載っている人を父親とする扱いしか認めていません(だから、これを嫌って、母親が、出生届を出さず、日本でも無国籍児童が発生します)。
一旦、戸籍の夫を父親とし、その後、夫に、嫡出否認の訴えを提起してもらい、そうで無いときは、母親が親子関係不存在の裁判をし、判決を取った上で、嫡出子たる地位を解消し、その後、実の父親が認知します。
もっとも、離婚が解消していないと母親と子供の新しい戸籍を編纂できませんので、離婚の解消が不可欠となります。ただ、妻が有責配偶者ということで、なかなか離婚が成立しないことも考えられます。

DV夫から虐待を受けていた人が他の人に心を惹かれ、妊娠することもあるでしょう。別居に至る経緯は人それぞれです。
法律は、離婚が成立し、待婚期間を経て、新しい出会いから子供が生まれるということしか想定した規定を置いていないのです。

DNA鑑定で親子関係覆りません(2)

前回、親子関係DNA鑑定で覆すことができないとの最高裁判例のお話をしました。
では、DNA鑑定上、父親で無いことがはっきりしても、親子関係を解消すること、全くできないのか?裏技はないのか?
というと無いことも無いのです。
 最高裁判例は、離婚後、母親と子供側が親子関係不存在を主張し、他方、元夫側は、親子関係の継続を望んでいたという事で争いになっていた事案だったのです。
争いの事案では無く、皆が合意していた事案迄を範疇に置く判決ではないと解釈を加える余地があります。最高裁の判決の趣旨に、当事者が否定している様な場合のみ、裁判所が介入して、親子関係を解消するような事はしない。皆が了解しているような場合は、実際の親子関係を優先すべきと解釈することは可能な様に思えます。
実際、家庭裁判所の実務では、当事者間に争いがない場合には、「親子関係不存在確認調停」という家事調停の手続きのなかで、合意に相当する審判がなされ、その審判を基に戸籍を訂正するといったケースがしばしば見受けられます。
ただし、最高裁判決についての解釈は、裁判官によって異なります。最高裁の言う子を巡る法律関係の安定との発想からは、当事者間に合意がある場合でも、当然に及ぶ。だから、「親子関係不存在確認調停」が認められないとの考えに立つ裁判官もいることでしょう。絶対に、合意をすれば、認められるというものではありません。

DNA鑑定で親子関係覆りません(1)

土曜日、大学生の愚息から、来週、大学(理系)の実習の発表があって、今準備に追われているというと聞かされた。ずっとサボっている本人が悪いのであるが、発表テーマが自由というのも困る。夏休みの自由研究課題を一夜でやった小生の苦労経験と被る。
 DNA鑑定をテーマにしてみたとのこと。面白いテーマである。司法も、DNA鑑定の進歩に大きな影響を受けた。今から思えば、精度が完全に信頼に値しないと言う時代に、DNA鑑定が重視され、数々の冤罪が生み出された。DNA鑑定の精度が上がり、近年、数々の無罪判決が出ている。
 愚息の話では、今では、少しの皮膚のかけらからでも、十分信頼のおけるDNA鑑定が可能との事。
 愚息に幾らDNA鑑定が進んでも、民事の世界では、DNA鑑定の結果が採用されない分野があると話したところ、珍しく、私の話に興味を示した。
 「DNA鑑定、そんなの関係ねえ!」分野は、ズバリ親子関係不存在。皆さん、驚かれますよね。一般の人でDNA鑑定依頼する需要があるのは、親子関係の確認ですからね。
 実は、私が長年弁護士していて、「私の子供は、実は、夫の子供ではないのです。結婚後も前の彼と付き合ってて…誰の子かは私が一番分かっています」という話は、一度や二度ではありません。
 男が自分の子供で無いことに気付いたとき、どうするか。親子関係白黒付けたいと思う心情も分からないではありません。白黒付けたところ黒だったという場合、戸籍から親子関係を解消することはできるのでしょうか。
 親子関係を否定する法的方法は、2つあります。
 ① 嫡出否認の訴え
  民法では、婚姻中の妻が子を妊娠した場合、その子は夫の子と推定されます。これを「嫡出の推定」といいます。また、夫が父子関係を否認するためには、子の出生を知った時から1年以内に家庭裁判所に訴えを提起しなければならないとされています。これを「嫡出否認の訴え」といいます。
  しかし、生まれて1年など、余程の事が無い限り気付かなく過ぎてしまいます。
 ② 親子関係不存在の訴え。
  この方法は、出訴期間に制限はありません。しかし、この訴えが認められるのは、夫と妻の性交渉が無いことが証明できる場合に限られます。例えば、妊娠時期、刑務所に入っていたとか、夫は、妻妊娠時、アメリカにいて、接触する機会がないことは、ほぼ明らかという場合です(法律的には、そのような子を「嫡出推定の及ばない子)とし、①の範疇から外してしまいます。。
   でも、こんな事例は、むしろ特殊な事例で、多くの場合、①の方法で解決できてしまうケースです。
  私がよくある結婚生活をしながら他の者の子供を宿すケースには、使えません。

  じゃあ、DNA鑑定で99.9%親子関係無いとでていても、法律が親子関係を解消せず、親子関係を強制しろってこと?それってなんかおかしくない?
  当然の疑問です。これについて、実務では、智恵を絞り、①の「出生を知ったとき」を「親子関係にないこと(DNA鑑定で黒と知ったとき)に読み替える」という拡張解釈で、親子関係の不存在を認めた下級審判例もありました。
  ところが、最高裁(平成26年7月17日)は、はっきりとDNA鑑定で黒だろうが何だろうが知った事じゃない。ダメなものはダメと言い切りました。
理由は、子の身分を巡る法律関係の安定です。ザックと言えば、子供は、生まれた時から誰々さんの子供として、社会に位置づけられていて、子も社会も機能していく、勝手に親子関係変えることはまかりならんと言うことです。もしかしたら、形式の親子関係がどうであろうと、実質関係の親子関係は、別物。親子は親子。形式面を重視する必要はないという考えの上に立っているのかもしれません。

このように、DNA観点の結果は、法律の前では、無意味なこともあるのです。たとえ、黒いカラスといえども、最高裁が、白いといえば、白いカラスなのです(やや、この比喩は、過激ですが…)。
 
(追伸)
因みに、世の中DNA鑑定の使われ方いろいろあります。女性側からのアプローチで、「私の子供は、あなたの子よ。今夫(金持ち)と別れて、養育費いっぱいもらうつもりでいるから、あなたと結婚しましょう」と、DNA鑑定結果示して、しつこく、10年以上も前の元彼女につきまとわれて困っているというケースもあります。「自分たちの子供の養育に、たっぷり前夫が払ってくれていいでしょ」的な話で、托卵みたいですね(カッコウがウグイスの巣に卵を産み、事情知らないウグイスがカッコウの子を育てるというもの)。